今日は沢山の患者さん、沢山の喜びの話(授業参観が終わって来てくれた親子や漢方で精神的な症状が良くなった女性が笑顔になって、なんと彼氏もできた!)等々ありましたが、省略して、私の生還二周年の記念日だけを特集します!
写真の通り、十数年前から親しくなった果樹園があり、誰も食べない、誰も採らない、誰も売らない野生の梨を毎年毎年採っていましたが、二年前の2021年9月15日の朝8時半に、この年の最後の一回、最後の一個の梨を採ろうと思って手と体を伸ばしたら…足元の木や石が動いて、ドンッと音を聞いて意識を失いました。
数分後に目を覚ましたら、崖の下の梨の木の麓に(約2m)転落していました。。あの音は絶対に骨折したと思ったのですが、痛みはまだなかったので崖の下から迂回して上がり、駐車場に戻りました。車に乗っても大丈夫と思い、運転していると徐々に痛みが出てきたので、病院に行こうと思いましたが我慢できず、そのまま福島消防署に入り込みました。しかし、その時にはもう声が出なくて動けず、消防隊員も誰も気づいてくれなかったので、足で何とか車のアクセルをふかして音を出して気づいてもらいました汗
後ろや助手席など多方から4~5人がかりで隊員達が私を車から救出してくれ、そのまま救急車で福島医大の救急センターに入院しましたが、救急車の中からやっと電話で当時の薬局のスタッフに状況を説明できました。「痛い痛い」と言っているのに、嘘だと思って笑っていた事を覚えています涙
二日間、深呼吸もできず、食事や水も摂れずトイレの大小もできなくて痛いだけではなく精神的にも辛かったです。一生忘れない経験です。最後の一個の梨が私を転落させ5本の左肋骨を骨折させ、なんと骨折のお陰で右肺の小さい病気も見つかり、すぐ手術ができました。
そのキッカケで私は福島に移住を決意し、毎年この梨の木の梨が採れることに感謝もできるようになりました。
十数年前から福島で美味しい桃を探していて、試食をしてこの果樹園の桃が一番美味しかったので、それ以後は毎年買いに行っています。
最初の時、梨の木や崖の下にもいっぱい落ちている梨が気になり「なぜ採らないのですか」と聞いたら「美味しくないから売らない」と言ったので私の食べてもいいかの確認をしたら「どうぞ」と言われ、食べるととても美味しくて「子供の時の祖父が植えた梨の味と全く同じで美味しい!」と伝えると「これからは、いつでもどうぞ採ってください」と言われました
今日は骨折生還記念日なので、お菓子をもって感謝を伝えに行きました。初めて店主に聞くと「自分が子供の時にお父さんが植え、最初は授粉用に植えたが、その後は使わなくなり、お父さんも十数年前に亡くなった」と初めて聞きました。お父さんにも感謝、梨の木にも感謝。
これから死ぬまで毎年感謝を込めて梨を採りに行きます。梨の木はいつまでも私より元気で長寿になるよう祈りました。